終活関連

相続配分は二次相続との事も考えて

二次相続にも注意

相続税が掛かるご遺族は、二次相続のことも考えて相続分を決めましょう。

二次相続とは、最初の相続(一次相続)で残された配偶者が亡くなったときに起こる二回目の相続のことをいいます。

生前に相続税対策をしていなかった場合、一次相続ではそのときの対応に精いっぱいで、二次相続のことまで考えることはできないものです。

相続税対策では二次相続まで考慮しないと損をする可能性が高くなります。

これは、一次相続と二次相続で遺産の額が同じであったとしても、相続税は同額ではなく二次相続の方が高くなるからです。

二次相続の相続税が高くなる理由としては「相続人が1人減る」ことと、「配偶者の税額軽減の特例が使えない」ことがあげられます。

一次相続で配偶者の税額軽減を最大限に使うと、二次相続で多額の相続税がかかって、トータルではかえって損をすることもあるのです。

安易に金額的には大きく使える配偶者控除だけを使って相続を終わらせるばかりでなく、二次相続の事も考えて配分しましょう。

また、二次相続が起こる前の生前贈与や、生命保険を使っての対策を合わせて考えていくことも大切です。

このへんは相続対策に強いファイナンシャルプランナーとかに相談されては如何でしょうか?

とはいえ別に「相次相続控除」という制度もあります。

 

相次相続控除とは

「相次相続控除」とは、今回の相続における被相続人が過去10年以内に別の相続で財産を取得し相続税を支払っていた場合に、過去に被相続人が支払った相続税の一部を今回の相続税から控除できるという内容の特例です。

相次相続控除が適用できる者の要件

以下の3つの要件があります。すべての要件に当てはまる必要があります。

1.相続人であること

今回の相続の被相続人の相続人であることが条件です。そのため、遺言書で財産をもらった受遺者や、相続放棄をして生命保険のみを取得した者などは含まれません。

2.今回の相続発生前10年以内に発生した相続により被相続人が財産を取得

連続して10年以内で相続が発生している場合にのみ適用が可能です。

3.前回の相続で被相続人に相続税が課税されていること

前回の相続で被相続人が相続税を支払っていることが要件となります。例えば、配偶者の税額軽減等で前回の相続では相続税の納税が生じていなかったようなケースでは、この要件には該当しないこととなります。

 

控除額はどのくらいか?

ざっくり説明すると、今回の相続の被相続人が前回の相続のときに支払った相続税のうち「前回の相続から今回の相続までの経過年数」×10%部分 を減額した金額です。

ただし、先に述べた通り期間は10年しかありませんので、この制度をあらかじめ予定に入れて対策することは難しいでしょう。

<葬儀あとのガイドブック抜粋…P62>

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