相続税は自己申告
相続税は、死亡した人の財産を相続や遺贈によって受け継いだ人にかかる「国税」です。
財産をもらった人が、すべて相続税を納めないといけないというわけではありません。
相続税の申告が必要なのは、基礎控除額を超えた相続が発生した場合です。
超えない場合は申告する必要はありません。
相続税は国から自動的にかかる税金ではなく、相続人が申告を自ら行う事になっています。
課税対象になるのは、不動産(土地や建物)、預貯金や有価証券、家庭用財産などで、仏壇や墓地、墓石、香典などは非課税です。
相続税は、相続財産の総額から基礎控除額を控除して課税遺産総額を求め、これを基にして税額を計算します。
したがって、相続財産の総額が基礎控除額以下であれば相続税は課税されませんので申告も不要です。
相続税の基礎控除額は、3千万円と法定相続人1人につき6百万円です。
配偶者と子ども2人の場合、4千8百万円までは課税されません。
この場合、4千8百万円を超える部分が相続税の対象になります。
遺産総額が基礎控除以上あっても、配偶者の税額軽減をはじめとして、小規模宅地等の減額特例などの制度を利用すると、相続税を支払わなくてもすむ場合があります。
ただし、これらの税額軽減や特例を受けるためには、相続税の申告書を提出しなければなりません。
申告と納税
相続税の申告の前に、確定申告書の提出義務のある方が亡くなられた場合、相続人はその全員の連名により、相続人が死亡した日の翌日から4か月以内に「所得税の準確定申告」を行わなければなりません。
相続税については、相続の発生があったことを知った日の翌日から10か月以内に申告、納税する必要があります。
例えば、4月1日に亡くなった場合には、翌年の2月1日が申告期限になります。
その日が土、日、祝日にあたる場合は、その翌日が期限となります。
納付方法は原則として、金銭で一度に納付しなければなりません。
しかし、それができない場合には、税務署長の許可を受けて「延納」や「物納」にすることもできます。
この10カ月はすぐに経ってしまいます。
相続財産の確定や、各種書類の取り寄せ、遺言書があった場合は裁判所での検認、遺産分割協議、宗教での法要など、様々な事を遺族は行っているのに、相続税の申告を10カ月以内にしなければならないのは、非常に負担になるでしょう。
その際は、税理士の力を借りる事も一つの方法です。
ただ税理士も相続関係に強い人、そうでない人もいますので、なるべく経験豊富な方を選んでください。
<葬儀あとのガイドブック抜粋…P56>
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