※葬儀あとのガイドブックP16を参照ください。
今回は葬儀後にすぐ遺族が取り組むことについてお話しします。
人が亡くなった後には、社会的にも法律的にも、さまざまな手続きが必要になります。
この動画を見て、優先順位を決めて取り組みましょう。
弔問客への準備
葬儀に参列できなかった人が、後日自宅に来られることがあります。
香典を差し出される事があるので、葬儀のときに使った返礼品を準備しておきます。
足りなければ葬儀社に連絡して、補充しておきましょう。
多くの方が来られて、家を離れられなかったという話しはよく聞く話です。
香典袋は積み重ねたりせず、そのつど別の場所に保管しておきましょう。
挨拶回り
おもに近所や故人の勤務先、お世話になった人、お寺などへの挨拶回りです。
遅くとも1週間以内を目途に喪主か遺族が行いましょう。
通常、忌明けに香典返しをするので手土産は一般的に必要ありませんが、菓子折り程度のものを持参する人もいるようです。
服装は準喪服か地味な平服にします。
お亡くなりになったのが会社員だった場合などは、勤務先に私物整理や給与精算など必要な場合があるか確認します。
故人の勤め先を訪問するときは、事前に人事担当者に適当な日時を問い合わせて、勤務先に事務手続きを兼ねて挨拶に伺います。
必要な書類や印鑑は持参するようにしましょう。
故人の私物が残っている場合は、その時に引き取るとよいでしょう。
生前や葬儀の際にお世話になった場合は、菓子折りなどの手みやげも忘れずに持参します。
勤務先での事務手続きとしては
・厚生年金遺族給付請求手続き
・健康保険葬祭料の請求手続き
・死亡届など必要な書類の提出
・団体保険・退職金・社内預金
・バッジや身分証明書などの返却
・労災保険の申請 などがあります。
費用の精算
葬儀終了後、遺族は世話役にお礼を言い、現金や名簿等事務の引継ぎをします。
この時に弔問客の心遣いや遺族の気づかなかった事などを確認しておくと、後の挨拶回りが行き届きます。
また、葬儀にかかった費用などは遺産相続の時に相続税控除の対象になりますので、領収書やレシートは大切に保管しておきます。
火葬場でもらう「埋葬許可証」も納骨の時に必要なので大切に保管しておきます。
慌しいなかで、病院への支払いも忘れがちになりますが、未払いに気付いたらすぐに済ませましょう。
医療費を還付してもらえる場合もあります。
香典返し
仏式の「香典返し」は四十九日の後、忌明けのあいさつ状と共に送るのが一般的ですが、最近は葬儀当日にお返しする「即日返し」も増えています。
表書きは「志」を使うことが多いですが、地域によって「忌明」や「満中陰志」など異なる場合があります。
後日、多額の香典をもらった方に改めて香典返しをする場合は、忌明け後に、お礼状を添えてお返しするとよいでしょう。
いただいた香典に「香典返し不要」とあれば香典返しをしなくてもかまいませんが、お礼状は送るようにしましょう。
※神道については三十日祭または五十日祭後に香典返しと忌明けのあいさつ状を送ります。
表書きは「偲草」や「偲び草」です。
※キリスト教には香典返しの習慣はありませんが、死後1カ月の召天記念後に行う人もいます。
表書きは「召天記念」「記念品」などです。
お寺、神社、教会等のお礼、僧侶や神職、神父、牧師などへの謝礼は葬儀の当日に済ませますが、まだであれば持参します。
遺言書などを探す
遺言書については、まずそれ自体があるのか確認します。
遺品整理の中で見つかる場合もあると思いますが、見つけてもすぐに開封してはいけません。
自筆証書遺言、つまりお亡くなりになった方が自筆で書かれた遺言書をご自宅で保管されていた場合には、家庭裁判所での検認が必要になります。
またご自宅の他に、事務所、貸金庫、信託銀行、法務局、公証役場、付き合いがある弁護士などにも遺言書があるか確認しましょう。
エンディングノート
エンディングノートには、希望の埋葬方法や香典返しの品についてなども書かれているかもしれません。
取引銀行先やクレジットカードの情報なども書かれてあれば、遺族の負担は非常に軽くなるでしょう。
あるかないか、遺言書と一緒に探してみてください。
ただし、エンデイングノートに「遺産を誰に渡すか」など書かれてあっても、エンデイングノートには法的な力はありません。
その他、帳簿の整理など
会葬者名簿、香典帳、弔電など、まとめておくと後の香典返しや喪中欠礼などに役立ちます。
また仏式の場合など、本位牌の準備やお仏壇、お墓の準備もあるかもしれません。
その他、具体的な手続きについては以前の動画を出しておりますので、そちらでご確認ください。
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