財産目録の作成
財産目録とは、ここでは相続財産を一覧にまとめたリストのことです。
遺産目録とも呼ばれます。
財産目録には、プラスの資産とマイナスの負債のすべてを記入しましよう。
例として
プラスの相続財産 | 不動産、土地、預貯金、株やFXなどの有価証券、投資信託、自動車、家、骨董品、美術品、宝石、貴金属、ゴルフ場の会員権 など |
マイナスの相続財産 | 借金、住宅ローン、自動車ローン、クレジットカード未払金、未払いの所得税、住民税、固定資産税、家賃、未払いの医療費 など |
相続の時に財産目録を作成しなければならないとは法律上定められているわけではありませんが、財産目録がなければ相続人が相続財産の内容をすぐに把握できず、遺産分割協議などの時にうまく進まなくなってしまいます。
こうしたことから、相続手続きの際に相続財産目録を作るのが慣例となっています。
相続財産をまとめた財産目録は、その後の遺産分割協議の基準になり、相続税を計算する資料となるのです。
また、相続放棄や限定承認をする際の判断基準になります。
すべての相続財産の価値を調べていきますが、財産それぞれに基準があり、複雑な作業となります。
相続税については、財産評価は相続開始時の「時価」で行うのが原則です。
土地や建物については、用途や形状、利用状況に応じて評価され、自動車や宝石などは売買実例価格やプロからの試算で評価します。
贈与財産はどうする?
故人から生前贈与を受けた財産のうち、相続財産に取り入れて相続税が課税されることがあります。
①相続開始前3年以内の贈与財産
この間にあった贈与は、基礎控除(110万円)以下であっても、すべて相続税の対象となります。
②相続時精算課税制度に係る贈与財産
この制度を選択し、適用以後に故人からもらったすべての財産が相続税の課税対象となります。
なお①②とも、贈与税が既に課税されている場合、税額からその分が控除されるので二重課税にはなりません。
いくら生前に贈与されたとはいえ、これらは相続財産の中に入るので財産目録の中にも入れておきましょう。
専門家を使う
財産目録を作成する際に、評価金額がいくらになるのか難しい問題が出てきます。
土地の値段はどうするのか? この家の評価はいくらなのか? 株式はどう評価すればいいのか…など。
そんなときには専門家を使って財産目録を作成してもらう方法もあります。
少しでも負担を軽くしたいと思われるなら、専門家の活用を検討してはいかがでしょうか。
財産目録以外のことも、例えば「戸籍謄本」の取り寄せや、相続関係説明図の作成もお願いできたりします。
できるだけ費用を抑えて自分たちで相続手続きを行いたい と思われているご遺族でも、明確な相続財産目録をがあれば後の手続きがスムーズに進むこともあり、専門家のサポートを受けることも検討してみましょう。
終活においての財産目録
相続財産目録を作成するときは、相続財産をきちんと特定できる記載をすることです。
たとえば不動産について、登記事項証明書通りに正確に記載しましょう。
相続財産目録は相続人以外の人が見ることもありますから、正確に作成する事がひつようです。
預金についても、金融機関名だけでなく、支店名、口座番号、預金種目まで記載しましょう。
また、マイナスの財産についても忘れずに記入しておく必要があります。
<葬儀あとのガイドブック抜粋…P49>
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