エンデイングノートを書いてみようと決心され、机に向かったとき思ったより項目が多く、途中で気力が失せてしまった…なんで方は少なくないんじゃないでしょうか?
エンデイングノートにも様々な物があり、学生時代の思い出や家族への想いまで項目があるものがあります。なんのために?と疑問を持つ方もいますが、それは葬儀のときに司会者が話す内容に盛り込んだり、家族になかなか伝えられなかったことを文章にして残すという意味合いがあるからです。
とはいえ、そこまで書くとなるとハードルが上がってしまいます。
これから数回に分けて、最低限記入しておくべき箇所をまとめてみようと想います。
「本籍地」を書いておく
「本籍」とは「戸籍」がある場所のことで、日本国内の地番があるところならどこにでも置くことができ、変更することも可能です。そのためひとつの場所を複数の方が「本籍」にしているケースもあります。
「本籍」と「本籍地」は同じような意味合いで使われることがありますが、別ものです。戸籍のある場所を指す「本籍」に対して、「本籍地」は戸籍を管理する自治体のことを指しています。
本籍地とは、戸籍が保管されている市区町村のことをいいます。本籍地は転籍届や結婚の際などいつでも自由に変更ができるため、生まれた市区町村や現在住んでいる住所とは限りません。そのため、実家の住所を本拠地として市町村役場に行って戸籍をもらおうと思っても現住所と本籍地が異なっているときには戸籍の取得ができません。一方、現住所とは本人の住民票に記載されている住所のことをいいます。実際に住んでいる場所と住民票に記載されている住所が異なることも可能です。
戸籍とは最大親子2代までの親族関係を記したもので、「いつ生まれ、いつ結婚し、いつ子どもができていつ死んでいったのか」をはっきりさせるものです。戸籍は本人確認や親族関係の確認、裁判で年齢や相続関係などの証明に使われます。戸籍を証明する書類が「謄本謄本」と「戸籍抄本」です。「戸籍謄本」とは戸籍に記載されている全員の身分関係が記されたもので、氏名・生年月日・親の氏名・婚姻関係(過去を含む)・子どもの氏名が記載されています。戸籍謄本は結婚をするときなどに必要となります。「戸籍抄本」は戸籍に入っている一個人の事項のみを抜粋して写したものです。戸籍抄本は生命保険の申請時や年金を受給するときに必要となります。なお、パスポートを申請するときには戸籍謄本でも戸籍抄本でもどちらでも構いません。なお、コンピュータ化に伴い、戸籍謄本が「戸籍全部事項証明書」へ、戸籍抄本が「戸籍個人事項証明書」へ名称が変更されました。
未婚の方の場合は親の「戸籍」のなかにいるため、親の「本籍」がご自身の「本籍」となります。また結婚すると、親の「戸籍」から抜けて夫婦で新しい「戸籍」を作ることになりますが、このときに好きな場所を「本籍」に決めることができます。一般的には、夫婦いずれかの「本籍」や新居を構えた場所を「本籍」に選ぶケースが多くみられます。
「本籍」は「戸籍」に記載されているので、「戸籍謄本」または「戸籍抄本」を入手すればすぐにわかりますが、いずれも本籍地でなければ発行してもらえないため、現地に出向くか郵送で請求する必要があり、手間が掛かります。
「住民票の写し」を請求するときに注意したい点は、提出する申請用紙に設けられた「本籍地と筆頭者を記載する」という選択欄で「記載する」を選んでおかなければ、住民票に本籍地が記載されないということです。住民票は現在住所を登録している市区町村の役所で取得できますが、自治体によっては役所に出向かずにコンビニエンスストアで手続きできるところもあります。
エンデイングノートは全て埋める必要はありません。日常の備忘録として残しておく、そんな気構えで良いとおもいます。
<葬儀あとのガイドブック 関連…P28>
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