葬儀を終えての法要・法事スケジュール(後編)仏教 四十九日以降・神道・キリスト教
今回は法要においてのスケジュール後半です。
前半では仏式における七七日、四十九日までの法要を見ていきました。
後半では仏式におけるその後の法要、また神式やキリスト教においてのスケジュールを確認していきます。
またこれらは地域や宗派、最近は新型コロナウイルスの影響で変わってくる場合がありますので、詳しくは菩提寺や教会などに確認してください。
四十九日を終えると、一般的には忌明けの挨拶状とともに香典返しを送ります。また、新盆・初盆に関してはこの四十九日を過ぎて迎えるお盆が新盆・初盆となります。
四十九日を終えると、死後100日で百か日の法要があります。
これは七七日忌、つまり四十九日と合わせたり、遺族だけで行うこともあるので僧侶にご確認ください。
つぎに死後1年目で一周忌があります。
親族・知人を招き、故人をしのんで供養します。
お墓を新しく準備される場合などは、この一周忌までに用意をして、納骨式を済ませるようにしましょう。
この一周忌が終わると、2年目に三回忌があります。
ここで注意が必要ですが、一周忌は亡くなってから1年目で行ないますが、他の○回忌という法要は、亡くなってからの年数プラス1年という呼び方です。
ですから2年目に行うのは三回忌となります。
次に死後6年目で七回忌、死後12年目で十三回忌、16年目で十七回忌があります。
その次は宗派や地域によって違いがありますが、死後22年目で二十三回忌、24年目で二十五回忌、26年目で二十七回忌があります。
中には二十三回忌と二十七回忌を2回行う場合や、二十五回忌だけ行うこともありますので、菩提寺にご確認ください。
それから死後32年目で三十三回忌です。
宗派や地域によって、この三十三回忌をもって法要を切り上げる事もあります。
これを「弔い上げ」と言います。
弔い上げをもって、以降の年忌法要は終了となります。
その後、49年目で五十回忌となりますが、この間四十三回忌・四十七回忌などもある場合があります。
この五十回忌で「弔い上げ」になる場合もありますが、百回忌まで法要を行う宗派や地域もあります。
このように違いがありますので、今後の事が気になる方は菩提寺に確認してみてください。
仏式の法要スケジュールは以上となります。
それでは神式の場合に移ります。
神式とは神道(しんとう)に倣ったお葬式の事で、このお式は神葬祭(しんそうさい)と言います。
神式の場合は、仏式でいう法事・法要に当たる儀式のことを、神式では「霊祭(れいさい)」もしくは「式年祭(しきねんさい)」と言います。
故人の死後100日目までに当たる儀式のことを「霊祭」、1年目の命日以降の儀式のことを「式年祭」と言い、神社はなく自宅や墓前で行います。供養の行事の事を「霊前祭」と呼びます。
仏式ではお寺のお坊さんを呼んでお経を唱えていただきますが、神式では神社の神主さんを呼んで祝詞(のりと)と言われるものを読んでいただきます。
仏式の焼香にあたるものを「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」、仏式の仏壇に当たるもののことを「祖霊舎(それいしゃ・みたまや)」と言います。
神道の霊前祭は、葬儀の翌日から五十日祭までは10日ごとに行い、その後百日祭を行います。
そして一年祭、二年祭と式年祭を行うのですが、その祭祀の中でも、最近は行われなくなってきたものや、盛大に行うとされているものなどもありますので、詳しくは神官に確認してみてください。
まず亡くなって翌日に行うのを翌日祭といい、遺族だけで行う事が多いのですが省略されることもあります。
死後10日目で十日祭。
十日祭は葬儀当日に行う場合もあり、近年では十日祭から四十日祭まで省略されることも多いようです。
繰り返しになりますが、神官にご確認ください。
死後20日目で二十日祭、30日目で三十日祭、40日目で四十日祭、そして50日目で五十日祭と続きます。
五十日祭は、その後が忌明けとなることが多い重要な祭儀で、仏教にとっての四十九日法要と同等の意味合いを持つ霊祭になります。
親族・友人・知人などをお招きして墓前で盛大に祭儀を行うのが一般的です。
近年では、五十日祭と併せて清祓の儀(せいばつのぎ・きよはらいのぎ)と合祀祭をとり行い、忌明けとするのが一般的となってきています。
清祓の儀とは、身内に不幸があった際に神棚封じとして貼られた白紙を剥す儀式のことです。
本来は五十日祭が終わり翌日に行う儀式ですが、五十日祭と一緒に行われる事が多いです。
合祀祭とは故人の霊を仮霊舎から祖霊舎に移す儀礼です。
合祀を行うことによって、故人の御霊は祖霊と共に家の守護神になります
また神道では、納骨する儀式を「埋葬祭」もしくは「納骨式」と言います。
埋葬祭は本来はご遺体を火葬してからすぐ行うのですが、現在では五十日祭までに納骨することが一般的となっています。
墓石が間に合わないなどの事情があれば、一年祭で納骨することもあります。
この五十日祭が過ぎれば忌明けとなります。
そのあと盆の時期がくれば新盆となり、死後100日目で百日祭、死後1年目で一年祭、2年目で二年祭、5年目で五年祭、10年目で十年祭、20年目で二十年祭となります。
この二十年祭を最後にする場合もありますが、その後も三十年祭、四十年祭、五十年祭、百年祭を行う場合もあります。
最後にキリスト教についてですが、プロテスタントの場合は追悼儀式を「記念式」と呼び、死後1カ月で「召天(しょうてん)記念日」があります。
召天記念日には自宅か教会、または墓前に牧師を招いて記念式を行うことが多いようです。
これ以降は特に決まりはなく、毎年の召天記念日や、1年目、2年目、7年目に追悼の記念式を行う場合もあります。
カトリックの場合、追悼儀式は「追悼ミサ」となり、亡くなった日から3日目、7日目、30日目(約1カ月目)に「追悼ミサ」があり、1年目には「死者のための祈念のミサ」が行われます。 しかし現在では、3日目、7日目の追悼ミサは省略されることが多いようです。
これ以降は特に決まりはなく、毎年の亡くなった日や、地域のしきたりに合わせて3年目、7年目、10年目などに追悼祈念ミサを行います。
追悼のミサは教会で行われ、遺族、親族、友人、知人を招いて行われます。
カトリックでは追悼ミサ以外に、11月2日を「死者の日」とし、亡くなった全てのキリスト者(死者・元教会員)を記念するための特別なミサも行われます。
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