国民年金とは
国民年金は「基礎年金」とも呼ばれるものであり、20歳以上60歳未満の国民全員が必ず加入することになっている年金です。
厚生年金保険は国民年金に上乗せされて給付される年金で、主に会社員やサラリーマン(個人事業主でも従業員が常時5人以上いる場合には、強制加入)などが加入しています。
今回は「基礎年金」である国民年金について、遺族がもらえるお金の話しです。
子のある配偶者または子にのみ支給される遺族基礎年金
国民年金加入者が亡くなった場合、遺族基礎年金、寡婦年金、死亡一時金のいずれか一つが支給されます。
国民年金の遺族基礎年金についての手続き内容は、厚生年金や共済年金の遺族基礎年金と、ほとんど同じと考えていいでしょう。
手続きは市区町村役場に請求書類等を提出して行います。
遺族基礎年金とは、国民年金の加入者または老齢基礎年金をもらう資格期間(25年以上の加入)を満たした人が亡くなった時に支給されるものです。
受給できるのは、亡くなった方によって生計を維持していた「子のある配偶者」、または配偶者がいない場合はその「子」です。受給権をもつ子の年齢は、18歳に達する年の年度末(3月31日)までです。
子がいても、その子が18歳を超えると「子のある配偶者」ではなくなりますので、遺族基礎年金はもらえなくなります。
遺族基礎年金の支給条件
遺族基礎年金をもらうためには条件があります。
①国民年金に加入してから亡くなった月までの間に、保険料を納めた期間と免除された期間が、加入期間の3分の2以上あること。
②①に該当しない場合、死亡月の前々月までの1年間に、故人の保険料の未納がないこと。
手続きは、亡くなった日から5年以内で、支給は2か月に一度、偶数月に支給されます。
国民年金の寡婦年金とは
寡婦年金は、夫の死後も再婚しないでいる女性に支給される、国民年金独自の給付です。
国民年金の保険料納付済期間(免除期間を含む。障害基礎年金の受給者、生活保護者などは保険料納付が免除される)が25年以上ある夫が亡くなった場合、そして老齢基礎年金や障害基礎年金をもらわずに亡くなった場合に、子供のいる、いないに関係なく、その妻に支給されます。
妻として亡くなった方と生計をともにし、かつ10年以上結婚していることが条件です。
支給されるのは、妻が60歳になってから、65歳になるまでの5年間です。
60歳をすぎてから寡婦年金の受給資格ができても、それから5年間ということではありません。その時点から65歳までの期間の支給となり、たとえば62歳で受給資格を得た場合は、65歳までの3年間になります。
年金額は夫が受けることのできた老齢基礎年金の4分の3に相当する金額で、手続きは亡くなった日から5年以内です。
国民年金の死亡一時金
自営業者など第1号被保険者に対する独自の給付です。
保険料を36ヶ月以上納めた人が、老齢基礎年金も障害基礎年金も貰わないままで亡くなったとき、その遺族に支給されるものです。
この場合の遺族とは、亡くなった方と生計を同じくしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母または兄弟姉妹のことで、この順に優先権があります。
この一時金は、受給者の年齢や収入に関係ありません。
遺族が遺族基礎年金を受けとる場合には、死亡一時金は支給されません。というのは、死亡一時金と比べて遺族基礎年金のほうが金額的に有利なので、そちらを選んでもらうためです。
寡婦年金と死亡一時金では、場合によっては一時金のほうが有利な場合もあります。どちらか有利なほうを選ぶことになります。
たとえば、夫が亡くなった後、間もなく65歳になる妻の場合、死亡一時金のほうが寡婦年金より有利なこともあるからです。
手続きは、亡くなった日から2年以内に行なわなければなりません。
これらの事については分かりにくいかもしれませんが、そんな際に活用できるものがあります。
「ねんきんダイヤル」を活用しましょう |
故人の名前、基礎年金番号または年金証書番号、死亡日などを電話で伝えれば、手続きの案内を郵送してくれます。指示された書類を年金事務所に返送すれば手続きは終了です。 TEL:0570-05-1165 |
分からないことがあれば、悩まずにまずは聞いてみてはいかがですか?
<葬儀あとのガイドブック抜粋…P37>
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